最後の相場師・是川銀蔵の真実|無一文から巨富を築いた投資五ヶ条
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銀蔵の名を轟かせたのは住友金属鉱山だけではありません。それ以前の1979年に仕掛けた「同和鉱業株」の攻防戦もまた、市場関係者を震撼させました。ここでは、銀蔵の代表的な勝負銘柄の経緯とデータ、そして同和鉱業の知られざる真相を比較表で総括します。
銘柄名・ターゲット詳細・数値データ仕掛けの根拠・アプローチ編集部の見解・分析住友金属鉱山
(1981〜1982年)取得単価:約200円台
保有株数:約5,000万株
納税額:約28億9,800万円(日本一)菱刈鉱山の試掘データに着目。独自にサンプルを科学分析し、世界一級の金鉱脈であることを発表前に突き止めた。科学的調査と集中投資の最高傑作。市場の無関心を逆手に取った先回り投資の金字塔。同和鉱業
(1979年)取得単価:約100〜200円台
ピーク時株価:900円超
獲得利益:推定数十億円規模秋田県・花岡鉱山における黒鉱脈開発の進捗に着目。国際商品市況(銅・亜鉛・貴金属)の高騰を事前予測。仕手戦の様相を呈し、大手証券会社や仕手筋との壮絶な心理戦に発展。後に巨額の資金固定化を招く火種にもなった。日本セメント
(1976年)取得単価:100円前後
買付規模:約3,000万株
株価推移:約3倍へ急騰第1次オイルショック後の公共投資拡大と景気刺激策を見越し、不況期に放置されていたセメント株を買い占め。マクロ政策の転換を捉えたマクロモメンタム投資。後の大型仕掛けの礎となった成功例。
特に「同和鉱業の真相」を巡っては、当時から金融界で激しい議論が巻き起こりました。表向きは花岡鉱山の資源価値を先取りしたファンダメンタルズ投資とされていましたが、実態は銀蔵の買い集めを知った仕手筋や個人投資家が殺到し、異常な高値へと吊り上がったのです。
銀蔵自身は「自分は仕手師ではない、相場師だ」と強く主張し続けました。しかし、株価が急騰する中で買い増しを続けた結果、売り抜けるタイミングが極めて困難になり、大量の資金が長期間にわたって拘束されるという痛烈な教訓を味わうことになります。この時の葛藤と反省が、次の住友金属鉱山における「冷徹な出口戦略」へと結実していったのです。