枕草子「2月つごもりごろに」現代語訳と藤原公任への返歌徹底解説
枕草子「2月つごもりごろに」現代語訳と藤原公任への返歌徹底解説の要点を詳しく解説してご紹介します。
学校の定期試験や大学入試の古典において、「二月つごもりごろに」は文法問題・現代語訳問題の宝庫です。特につまずきやすい重要語句の意味と、入試頻出の品詞分解を厳選して解説します。
1. 重要単語・語句の徹底解説
- つごもり(晦日)の意味:「月隠り(つきごもり)」が転じた語で、「月の末日」「月の下旬」を指します。2月つごもりは陰暦2月の終わり(春の半ば頃)を意味します。
- 白の薄様にとて(しろのうすようにとて)の意味:「薄様」とは雁皮などを原料とした薄手の上質な和紙のこと。「白の薄様にとて」は、「白い薄様の紙に包んで(あるいは白い薄様に書いて)」という意味になり、降る雪の白さに紙の色を合わせた風流な美意識を表しています。
- 黒戸(くろど):清涼殿の北西にある部屋。殿上人や女房たちの通用口や宿直所として使われていた場所です。
- 主殿司(とのもづかさ):宮中の清掃や灯火、薪などを担当する主殿寮の下級官吏。
2. テスト頻出の品詞分解と文法ポイント
①「空寒み 花にまがへて 散る雪を」
入試で最も出題されるのが「空寒み(そらさむみ)」の構造です。
- 空(名詞) + 寒み(形容詞「寒し」の語幹「さむ」 + 接尾語「み」)
- 重要文法【語幹+み】:「〜が〜なので」という原因・理由を表す構文(例:瀬を早み=川の瀬が早いので)。したがって「空寒み」は「空が寒いので」と直訳します。
- まがへて(マ行下二段活用「まがふ」の連用形+接続助詞「て」):「見間違える」「入り混じらせる」の意味。
② 敬語の識別と方向
本章段では敬語の主体(誰から)と客体(誰へ)を問う設問が頻繁に出題されます。
- 「これ、権中納言殿の御文。」とて「奉る」を見れば:
・「奉る」=謙譲語の本動詞(差し上げる)。
・敬意の方向=話し手(地の文の筆者である清少納言)から、受け手である清少納言自身(あるいは中宮側)へ差し上げる動作。 - 「喉痛くして『侍る』」:
・「侍る」=丁寧語の補助動詞(〜でございます/〜ます)。
・敬意の方向=使者(主殿司)から聞き手(清少納言)への敬意。 - 「御物語の紛れに」:
・「御」=尊敬の接頭語。
・敬意の方向=筆者から中宮定子(および同席する高貴な貴族たち)への敬意。
③ 助動詞の識別
・「思ひ出でられつる」:「られ」は自発の助動詞「らる」の連用形(自然と思い出された)。心情動詞「思ふ」に接続しているため自発となります。
・「いかにかあるべき」:「べき」は推量または当然の助動詞「べし」の連体形(どうであるのがよいだろうか/どうすべきか)。
・「御名をも傷つけつべし」:「つ」は強意の助動詞「つ」の終止形、「べし」は推量の助動詞。「きっと〜してしまうに違いない」という強い危惧を表します。