水も酵母も不要!柿酢の失敗しない作り方とカビ・熟成の真相完全解説
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仕込みにあたって最も頻繁に寄せられる疑問が、「庭に生えている渋柿でも作れるのか」「富有柿などの甘柿とどちらが適しているのか」という点です。結論から述べると、渋柿であっても極めて上質でコクのある柿酢を仕込むことができます。むしろ、古くからの醸造産地では渋柿こそが酢作りの特等席に座ってきました。
渋柿の強烈な渋みは、水溶性のタンニン(シブオール)によるものです。舌の上で溶けるため人間には耐え難い渋みとして知覚されますが、発酵の過程で酵母が産生するアセトアルデヒドとタンニンが結合すると、タンニンは不溶化して沈殿します。つまり、酢が完成する頃には渋み成分は完全に舌で感知できない状態へと変化し、奥深いコクとポリフェノールの恩恵だけが残る仕掛けです。さらに、渋柿は完熟すると甘柿を上回る糖度20度近くに達することも珍しくなく、発酵のエネルギー源として極めて優秀です。
甘柿を用いる場合は、熟して柔らかくなったものを使うのが基本ですが、まだ果肉が固い場合は常温で数日間追熟させ、指で押すと簡単に凹む程度まで待つのがコツです。一方、渋柿を用いる際は、ヘタ周辺に黒ずみや傷みがないかを厳密に確認し、傷んだ部位は思い切って削ぎ落とすことで、雑味のない洗練された酸味を引き出すことができます。