睡眠退行とは?急な夜泣きの原因といつまで続くか月齢別に徹底解説
睡眠退行とは?急な夜泣きの原因といつまで続くか月齢別に徹底解説の真相について、最新情報を取りまとめてご紹介します。
生後数ヶ月を迎えた乳児が前触れもなく夜間に覚醒し始める現象について、多くの家庭が「体調不良か、母乳・ミルクの不足ではないか」と疑います。しかし小児科医や乳幼児睡眠コンサルタントの臨床現場では、この「赤ちゃんが急に寝ない理由」の約8割が睡眠退行によるものと診断されています。
睡眠退行の英語原語は「Sleep Regression」ですが、実態は「プログレッション(成長・進化)」に他なりません。新生児期の睡眠は、浅い眠り(動睡眠)と深い眠り(静睡眠)がほぼ均等に繰り返される原始的な構造をしています。ところが、生後3〜4ヶ月頃を迎えると、大人と同様の「ノンレム睡眠(ステージ1〜3)」と「レム睡眠」からなる複雑な睡眠サイクルへの大規模な神経網の再構築(リモデリング)が始まります。
睡眠サイクルが大人に近づく過程で、眠りの浅いレム睡眠の比率が変わり、約45分から60分周期で浅い覚醒状態が訪れるようになります。大人であれば寝返りを打って無意識に再び深い眠りへ戻れますが、自力入眠のスキルが未成熟な赤ちゃんは、浅い眠りに浮上した瞬間に完全覚醒してしまい、激しい不安から泣き声を上げてしまうのです。
さらに、脳の視覚・聴覚野の急速な発達によって日中の刺激情報処理量が跳ね上がることや、寝返り・ハイハイ・つかまり立ちといった粗大運動機能の獲得が重なります。赤ちゃんの脳内では、日中に覚えた身体の動かし方を夜間も無意識にリハーサルしようとする神経シグナルが活発に発火しており、これが「寝たいのに脳が興奮して眠れない」状態を引き起こしています。
なお、ネット上でよく混同される概念に「メンタルリープとの違い」があります。オランダの発達心理学研究に基づくメンタルリープは、赤ちゃんの認知能力や知能が飛躍的に変化する特定の週齢(全10回)を指す概念です。一方、睡眠退行は脳波パターンや睡眠サイクルの生理的変化、および運動発達に直接起因する睡眠障害的状態を指します。両者が時期的に重なるケースは多々ありますが、睡眠退行は純粋な生体リズムの変革期として捉えるのが医学的に正確な見方です。