スマートウォッチの睡眠はどうやって判定?腕だけでわかる驚きの仕組みと真相

スマートウォッチの睡眠はどうやって判定?腕だけでわかる驚きの仕組みと真相について分かりやすく解説いたします。最新の情報をチェックしてください。

睡眠トラッキングの基本原理は、手首という限られた接点から得られる「身体の微細なサイン」を複合的に掛け合わせ、統計モデルと照合することにある。その根幹を支えているのが、加速度センサーによる体動検知と、手首裏側の光学式心拍(PPG)センサーだ。

第1の関門である「起きているか、眠っているか」の判定は、主に3軸加速度センサーが担う。人間は入眠すると全身の筋緊張が緩み、起きている間にはあり得ないレベルで静止状態が続く。このアクチグラフィと呼ばれる手法により、一定時間以上の無動状態を捉えて「入眠」を仮判定する。しかし、ベッドの中で横になって映画を観ているだけでも身体は動かない。ここで誤判定を防ぐために不可欠なのが、第2の要素である心拍変動と自律神経の測定原理だ。

光学式センサーは緑色や赤外線のLEDを皮膚に照射し、血流のヘモグロビンが光を吸収する度合いから心拍数と拍動の間隔(ミリ秒単位の揺らぎ)を読み取る。入眠すると、身体をリラックスさせる副交感神経が優位になり、心拍数は低下すると同時に拍動の間隔の揺らぎ(心拍変動:HRV)が大きくなる。逆に覚醒や興奮状態では交感神経が高まり、脈拍は速く、拍動間隔は機械のように均一化する。この自律神経の切り替わりと体動の静止が合致した瞬間、端末は「睡眠に入った」と確定する。

では、レム睡眠とノンレム睡眠の判定理由はどこにあるのか。鍵を握るのは「筋肉の脱力」と「呼吸・脈拍の乱高下」の乖離だ。ノンレム睡眠(深い睡眠を含む)では、副交感神経が強く働き、呼吸も心拍も極めて規則的で安定し、身体の動きもほとんどない。一方で、夢を見る「レム睡眠」の段階に入ると、脳は活発に活動するため心拍数や呼吸数は不規則に乱れるにもかかわらず、運動神経は遮断されているため手首の動きは完全に停止する。「体動はゼロなのに、心拍が不規則に揺れている」という生理的矛盾をアルゴリズムが察知し、レム睡眠と特定しているのだ。

吉田 誠

吉田 誠

インテリア&ライフスタイルコーディネーター

最新のテクノロジーと生活デザインの融合をテーマに、国内外の最新トピックを発信しています。

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