人生いたる所に青山ありの本当の意味|誤用しがちな真相を徹底解説
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「人生いたる所に青山あり」の出典は、幕末の周防国(現在の山口県)出身の浄土真宗僧・釈月性(1817–1858)が詠んだ七言絶句の漢詩『将東遊題壁(将に東遊せんとして壁に題す)』です。尊王攘夷派の志士として吉田松陰らとも深く交わった月性が、27歳の折に故郷を離れて大阪・江戸へ遊学する際、生家の壁に書き残したとされる詩の一節に基づいています。
原詩の構成は以下の通りです。
【原文】
男児立志出郷関
学若無成死不還
埋骨豈期墳墓地
人間到処有青山
【書き下し文】
男児 志を立てて 郷関を出づ
学 若し成らずんば 死すとも還らず
骨を埋むる 豈に墳墓の地を期せんや
人間 到る処 青山有り
【現代語訳】
男子たるもの、一度志を立てて故郷を出たからには、学業を成就しない限り死んでも帰らない。
自分の骨を埋める場所は、どうして先祖代々の墓地である必要があろうか。
世間というものは広く、死んで骨を埋めるべき山(活躍の場)はどこにでもあるのだ。
この漢詩がなぜ「西郷隆盛の名言」として広まったのかというと、明治維新の立役者である西郷隆盛がこの詩をこよなく愛し、座右の銘として揮毫した史実があるためです。西郷は沖永良部島への遠島処分など過酷な逆境に直面した際、この詩を口ずさみ自らを鼓舞したと伝えられています。後世、西郷の手習いや遺訓を通じて詩が爆発的に知名度を高めた結果、「西郷の言葉」と混同される現象が定着しました。