なぜ「怖い絵本」はトラウマになるのか?脳科学が暴く恐怖の真相
なぜ「怖い絵本」はトラウマになるのか?脳科学が暴く恐怖の真相の基礎知識と応用に迫る! わかりやすい言葉でご紹介しています。
日本の児童書史において、もっとも多くの幼い読者を震え上がらせてきた草分け的存在といえば、福音館書店から出版されている『ねないこだれだ』だろう。作者のせなけいこ氏が描く張り絵の独特な温かみとは裏腹に、物語の結末はあまりにも容赦がない。
夜遅くまで起きている子は、おばけに姿を変えられ、夜の空へと連れ去られてしまう。救いも、反省の機会も、やり直しのチャンスすら与えられない。この突然の切断感と理不尽さこそが、子供の脳裏に消えない傷跡を刻むのだ。大人が読むと「早く寝なさい」という躾のメッセージに過ぎないかもしれないが、幼い感受性にとってそれは、日常が突然崩壊する世界の終わりそのものだったのである。