アブとブヨの違いと見分け方|刺された時の症状・激痛と最新対処法
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アブやブヨに刺された際に生じる猛烈な炎症反応は、昆虫が吸血の際に注入する「唾液腺物質(アレルゲン成分)」に対する人体の免疫応答によって引き起こされます。
アブに刺された場合、皮膚が物理的に裂かれるため、受傷直後から出血と鋭い痛みが生じます。その後、組織破壊と唾液成分に対する即時型アレルギー反応により、刺傷部を中心に赤く硬い腫れが広がりますが、ピークは比較的早く訪れ、適切な処置を行えば2〜3日程度で沈静化に向かう傾向があります。
一方、臨床現場で極めて厄介とされるのがブヨによる遅延型アレルギー反応です。ブヨの唾液には、血液凝固を阻害するペプチドや酵素毒素が複合的に含まれています。吸血直後は中心部に小さな赤い出血点(点状出血)が見られる程度で、痒みも痛みもほとんど感じません。しかし、刺されてから12時間から48時間後にかけて免疫細胞(好酸球やT細胞)が患部に集結すると状況は一変します。
患部は熱を持ち、通常の蚊刺過敏症とは比較にならないほどの「猛烈な激痛を伴う痒み」とともに、足首や手首が本来の太さの1.5倍近くまでパンパンに腫れ上がります。重症化すると患部周辺に水疱(水ぶくれ)が形成され、歩行が困難になるほどの圧迫痛を伴うこともあります。この腫れのピークは受傷後2日目〜3日目に達します。
さらに警戒すべきは、痒みに耐えきれず患部を爪で掻き壊してしまうことです。表皮のバリアが破壊されると、常在菌である黄色ブドウ球菌などが侵入して二次感染(蜂窩織炎・化膿性皮膚炎)を併発するだけでなく、慢性的な炎症反応が固定化して「結節性痒疹」という硬い豆粒状のしこりへと移行します。このしこりが形成されると、市販薬では鎮静化が極めて困難となり、治癒までに数カ月から数年を要する事態に陥ります。