竜飛・吉岡海底駅はなぜ消えた?廃止の真相と「定点」の現在を徹底検証

竜飛・吉岡海底駅はなぜ消えた?廃止の真相と「定点」の現在を徹底検証の具体的な内容に迫る! 専門的な視点でご紹介しています。

かつて海峡線を走る快速「海峡」や特急「白鳥」が停車し、乗客を迎え入れていた竜飛海底駅と吉岡海底駅。二つの駅が駅としての使命を終えた直接の契機は、北海道新幹線の開業に向けた本格工事の着手でした。

そもそも両駅は、本州と北海道を結ぶ長大トンネルの保守・防災拠点、ならびに列車火災などの万一の事態に備えた青函トンネルの避難所として設計された経緯があります。開業後に観光需要を見込んで見学コースを整備し、特別列車を止める「駅」としての運用を開始したものの、施設の本質は建設工事用の作業坑道でした。そのため、ホーム幅はわずか約80センチ前後と極めて狭く、乗降用ドアも指定された号車のごく一部しか開かないという特異な構造だったのです。

転換点となったのは、2016年3月の北海道新幹線開業に向けた準備工事です。新幹線は在来線と電圧(2万5000V)やレール幅(1435mmの標準軌)が異なり、青函トンネル区間は三線軌条(3本のレールを併設する方式)へと大規模改修する必要がありました。工事資材の搬入基地や作業基地として吉岡海底駅の空間が最優先で必要となったため、まず吉岡海底駅が2006年8月に定期列車の停車を取りやめ、臨時駅へと移行。そして新幹線の総合試運転が本格化する直前の2014年3月14日をもって、竜飛海底駅とともに正式に廃止されました。

時速200キロを超える新幹線がすれ違う空間において、狭隘なホームに一般客が滞在することは風圧や安全管理の観点からも許容できません。巨大インフラの高速化と安全基準の刷新という時代の要請が、海峡線廃止駅の経緯における決定打となったのです。

木村 陽翔

木村 陽翔

テックライター兼ウェブディレクター

デジタルガジェットとスマート家電の検証記事を多数執筆。失敗しないモノ選びを提案します。

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