ほくろが多い人は長生き?皮膚科学が明かすがんリスクと意外な真実
ほくろが多い人は長生き?皮膚科学が明かすがんリスクと意外な真実の真相や最新動向に迫る! わかりやすい言葉でご紹介しています。
「ほくろが多いと皮膚がんになりやすい」という長年の噂と、「実は長寿のサインである」という説。一見すると矛盾するこの二つの説について、大規模な疫学調査がひとつの明確な視点を提供している。研究を牽引したキングス・カレッジ・ロンドンのデータは、医学界に大きな波紋を広げた。
同大学のティム・スペクター(皮膚科学教授)らの解析によると、全身に100個以上のほくろが存在する人物は、そうでない人物と比較して染色体の端に位置するテロメア(染色体構造)が有意に長いことが確認された。テロメアはいわば「細胞の寿命を測るタイマー」であり、これが長いこと自体が細胞の老化スピードが遅いことを意味する。結果として、骨密度が高く保たれやすく、見た目の肌の張りや若々しさを維持しやすいという、思わぬ生理学的メリットが浮かび上がった。
しかし、細胞の分裂・再生能力が高い状態が維持されるということは、それだけ遺伝子の突然変異が起こる機会も増えることを意味する。皮膚がんの一種であるメラノーマ(悪性黒色腫)を発症する統計的リスクがやや高まるのもそのためだ。つまり、「細胞レベルで若々しく保たれるという恩恵を受ける一方で、肌の変化に対する観察眼を怠ってはならない」というのが、最新の皮膚科学が指し示すリアルな回答である。