歌舞伎に女性が出演できない真の理由|出雲阿国から梨園の現在を追う
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Q1:国立劇場の歌舞伎俳優研修生に女性が応募することは一切できないのですか?
A1:現在の公募要綱において、歌舞伎俳優研修生の応募資格は「中学校卒業以上、原則として23歳以下の男子」と明記されており、女性の応募は受け付けられていません。独立行政法人日本芸術文化振興会による公的事業であるため、ジェンダー平等の観点から定期的に見直しの議論が持ち上がりますが、修了後の受け皿となる松竹本興行での配役の難しさなどを理由に、性別要件は維持されています。なお、太田記念美術館などの研究部門や舞台技術スタッフの採用には性別制限はありません。
Q2:寺島しのぶさんの息子(尾上眞秀さん)が歌舞伎界に入れたのに、母親の寺島さんはなぜ役者になれなかったのですか?
A2:歌舞伎界の慣習において、「女性本人が舞台に立つ歌舞伎俳優になること」は認められていませんが、「名門の血を引く娘が産んだ男児が役者になること(女系での継承)」は歴史的にも前例があるためです。寺島しのぶ氏は人間国宝・尾上菊五郎氏の長女であり、名門・音羽屋の正統な血を引いています。息子の眞秀氏は男子であるため、音羽屋の伝統と血脈を受け継ぐ有資格者として迎え入れられ、日仏のバックグラウンドを持つ新世代の役者として初舞台を踏むことができました。
Q3:将来的に歌舞伎座の本公演で女性が主役(白浪五人男や弁天小僧など)を演じる日は来ますか?
A3:近い将来において、松竹が主催する歌舞伎座の古典本興行で女性が正式な歌舞伎俳優として配役される可能性は極めて低いと見られています。「女形」という演劇的アイデンティティそのものが解体されかねないという内部の美学的な抵抗が極めて強いためです。ただし、新作歌舞伎、外部劇団との合同公演、スーパー歌舞伎、あるいは「四代目市川ぼたん」のような舞踊の名跡保持者が特別ゲストとして登場する枠組みにおいては、女性が主役級の存在感を示す場面は確実に増えていくと考えられます。