東海村臨界事故被害者の真実・未公開記録が明かす83日間の過酷
今注目を集めている 東海村臨界事故被害者の真実・未公開記録が明かす83日間の過酷について、多角的な視点をご紹介しています。
なぜ、これほどまでに悲惨な事故が防げなかったのか。その背景には、安全対策を軽視した組織的な歪みが存在していた。
現場となったウラン加工施設を運営していたのは、株式会社JCOである。作業の効率化を優先するあまり、正規の手順書とは異なる違法な「裏マニュアル」が常態化していた。沈殿槽と呼ばれる細長い容器の代わりに、形状的に臨界に達しやすいステンレスバケツを使ってウラン溶液を移し替える作業が日常的に行われていたのだ。
核燃料の取り扱いにおいて絶対的な禁忌とされる「臨界管理」が、完全に形骸化していた。利益追及と安全教育の欠如、さらには行政の監査不足。単なる現場作業員のミスではなく、当時の原子力産業全体に潜んでいた安全神話への過信が生み出した人災であった。