猫がよだれを垂らすのは病気?危険なサインと受診基準を徹底解説
猫がよだれを垂らすのは病気?危険なサインと受診基準を徹底解説とはどのようなものなのか? 専門的な分析を整理してお届けします。
日常の診察において最も頻繁に遭遇する原因疾患が、口腔内および泌尿器系の慢性トラブルです。特にシニア期に差し掛かった猫では、複数の病態が併発しているケースも珍しくありません。
1. 激痛で嚥下不能に陥る「難治性口内炎と歯周病」
猫の口腔内トラブルは、人間が想像する痛みを遥かに凌駕します。猫のよだれと口内炎は極めて密接に結びついており、特に猫カリシウイルスや免疫異常が絡む「猫慢性歯肉口内炎(FCGS)」では、喉の奥の粘膜が真っ赤に腫れ上がり、潰瘍を形成します。
唾液を飲み込むこと自体が激しい痛みを伴うため、口を半開きにして唾液を垂れ流すようになります。これに伴い、猫のよだれと歯周病の治療では、対症療法としての抗生剤やステロイド投与だけでなく、痛みの根本原因となる歯垢・歯石を除去するための全臼歯抜歯や全顎抜歯が有力な治療選択肢として採用されています。抜歯後約70〜80%の個体で大幅な疼痛緩和とよだれの消失が確認されています。
2. 毒素が粘膜を蝕む「慢性腎不全と尿毒症」
高齢猫の宿命ともいえるのが猫のよだれと腎不全の相関関係です。腎機能が著しく低下すると、体外へ排泄されるべき老廃物や尿素窒素が血液中に蓄積し、「尿毒症」と呼ばれる状態に陥ります。
血液中の高濃度毒素は胃腸粘膜や口腔粘膜を破壊し、広範囲にわたる「尿毒症性口内炎」を誘発します。この段階に達した猫のよだれからは、ツンと鼻を突く独特の強い臭い(アンモニア臭)が放たれます。水を飲む量が異常に増えているにもかかわらず急激に痩せていき、口元を痛がる様子があれば、即座に腎臓病のステージ判定と静脈点滴治療が必要です。