ビートたけし父・北野菊次郎の壮絶人生|破天荒な漆職人の光と影

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北野菊次郎の名は、ビートたけしが手掛けた数々の作品を通じて国民的な認知度を得ました。とりわけ陣内孝則と室井滋が夫婦役を演じたドラマ『菊次郎とさき』や、1999年公開の北野武監督映画『菊次郎の夏』は、菊次郎という人間を不朽のキャラクターへと昇華させました。

しかし、劇中で描かれたコミカルな姿と、家族が実際に体験した過酷な現実との間には、小さくない乖離が存在します。

映画『菊次郎の夏』において、主人公の中年男・菊次郎(ビートたけし演)は、口が悪く理不尽でありながらも、少年の母親探しの旅に付き添い、どこか温かい人情味を見せます。ラストシーンで少年に「おじちゃん、名前なんていうの?」と聞かれ、「菊次郎だよ、馬鹿野郎!」と照れくさそうに吐き捨てる名場面は映画史に残る感動を呼びました。

実際の菊次郎も、たけしが幼少期の頃に一度だけ「海に連れて行ってやる」と連れ出したことがありました。ところが、いざ海に着くと菊次郎自身が全く泳げず、足のつかない深みにはまって溺れかけ、結局泣きながら帰ってくるという喜劇のような実話が存在します。この哀愁と滑稽さが入り混じった原体験が、映画『菊次郎の夏』の骨格を形作ったことは間違いありません。

阿部 裕樹

阿部 裕樹

エンタメ専門ジャーナリスト

マネー知識やキャリア形成に役立つノウハウを、初心者にも分かりやすく解説するのが得意です。

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