北朝鮮の喜び組とは何か?選抜の裏側と金正恩体制での激変
北朝鮮の喜び組とは何か?選抜の裏側と金正恩体制での激変について徹底解説いたします。専門家の見解をご覧ください。
金正日と喜び組の歴史を振り返ると、それは指導者個人の嗜好と密接に結びついていました。映画狂として知られ、西側のショービジネスに強い憧れを抱いていた金正日氏は、招待所と呼ばれる別荘を国内各地に30箇所以上も建設し、夜な夜な豪奢な宴を繰り広げました。そこでの喜び組は、指導者の孤独を埋め、絶対的な権力欲を肥大化させるための私設エンターテインメント集団でした。
これに対し、喜び組の現在と金正恩政権の様相は質的な変化を遂げています。金正恩総書記が2011年末に権力を継承した直後、父の時代から仕えていた古参の喜び組メンバーの大半を解雇・退職させ、多額の手切れ金を渡して平壌から退去させたことが報じられました。これはいわゆる「世代交代」と「父の影の払拭」を意味していました。
さらに決定的な要因となったのが、正妻である李雪主(リ・ソルジュ)夫人の存在と、妹である金与正(キム・ヨジョン)党副部長の台頭です。李雪主夫人自身が銀河水管弦楽団の元歌手であり、夫の周辺に侍る女性たちの存在に極めて敏感であるとされています。金正恩政権下では、旧来のような露骨に退廃的な秘密宴会部隊は大幅に縮小され、指導者の身辺警護と健康管理を担う実務的な小規模グループへと純化されたと分析されています。
現在の金正恩体制における女性芸術集団は、私的な密室から「国家戦略のショーカーネーション」へと役割を変え、ミサイル発射成功を祝う式典や外交舞台でのプロパガンダを主導する存在となっています。しかし、最高権力者の意向一つで個人の運命が決定づけられる絶対的従属の構図そのものは、今なお何一つ変わっていません。